2018年10月30日 着物セラピー モデル撮影

今回、モデルとなってくださった「やどジョブ」代表 西村純子さん。

 

西村さんは、障がいのある人のことを「ちゃれんじど」と名づけ、ちゃれんじどがいろいろなことにチャレンジするという活動を行っています。

本当に素敵な名称だと思いますし、ご活動だと思います。

 

そんな西村さん、3人のお嬢様のお母様。今回モデルに協力してくださった香穂子さんはご長女になります。

 

香穂子さんは現在23歳。知的レベルは5歳程度ということです。いつもニコニコしていて、周りに迷惑をかけるタイプではなく天使のようなお嬢さんという印象でした。

 

きれいに着飾ることも「嬉しい」「楽しい」という表現も素直にされる方で、とても和やかな撮影となりました。

 

西村さんにお聞きしました。

音楽が好きな子

音楽があるとダメな子

どういう人が着付けるのか、事前にわかっていた方がいい子

顔合わせをして一度会っておいた方が安心する子

 

さまざまだということでした。

 

知的障がいの方と接する機会がほとんどなかった私にとって今回のモデル撮影で新鮮だったのが、

「香穂子ちゃんは何色が好き~?」

と聞いたとき。

 

「何色が好き?と聞いてもわからないと思います。ピンクが好き?と聞かれたら「ピンク」と答えるし、黄色が好き?と聞いたら「黄色」と答えるし、正直答えは当てにならないです」

 

確かに小さい子ってそんな感じですよね。それと一緒なんだな。。。

 

そんな香穂子さん、まずはヘアメイクから。

うちの娘も3歳の七五三のとき、ホットカーラーで髪を巻かれて何だかいつもと違う雰囲気にただただ興味津々で、普段全くじっとしていない子なのに、鏡をずっと見ていてジッとしていました。

香穂子さんも、ずっとじっとしてヘアメイクをされています。

その後着付けに。

着付けは、西村さんのご助言もあり、紐は使わない着付けで行いました。知的障がいの子たちは「しめつけられる」ということに慣れていないとお聞きしたからでした。

 

小さい子に着付けると

・下を向く(何をしているのか気になるんだと思われます)

・手をつかむ(イヤとかいうわけではなく気になるんだと思われます)

・フラフラする(体重が軽いからというのもあります)

・一緒に回る(後をついてくるような感じになります)

 

このような現象がよく起こります。

 

香穂子さんも同じような感じでした。

 

振袖は袖が長いのが特長です。この「袖が長い」ということにとても関心があるようでした。

 

「長いね~」を何度も言われていました。

帯も無事に結び終わり、撮影へ。「楽しい」「楽しい」を連発している香穂子さん。「どうでしたか?」という感想を聞いてもそんなに答えることはできないでしょうが、この「楽しい!」という言葉と笑顔が全ての感想だと思います。

 

撮影は、あくまでも自然体で。そこで止まって、という程度は言いましたが、ポージングをつけたりはしません。香穂子さんはカメラを向けられるとピースを突き出すというのがクセのようでしたので、ピースをしている写真が多くあります。

 

この撮影時の注意点やどういうことが好きかなども、事前にヒアリングをしたいと思います。ご遠慮なくお伝えください。

終始にこにこの香穂子さんでしたが、お母様の仕度が終わって合流すると、一層その笑顔が輝きました。本当に見ていてすごくそれが伝わり、やはり「親子」にこだわって撮影をしたいと改めて思ったのでした。

 

基本、ご自宅でお支度をして慣れ親しんだ場所で撮影をします。ご本人が落ち着けるところ、好きなところで自然な撮影ができたらと思います。

 

 

知的というわけではない、大勢のいる場に行くことに困難がある方も、してほしいこととしてほしくないことをきちんと聞いてからやりますので、安心して頼んでいただければと思います。

 

また、健常者の方もこのような撮影したいなと思われる方がいましたらお問い合わせください。成人式当日は対応していませんが前撮り・後撮りは大丈夫です。